まず最初に「何故ナイフ武器術が必修なのか?」について述べさせて頂きます。
変化自在のナイフ攻撃を素手で対処する術と意識を養うには、
実戦的な「理」で体系化された「ナイフ武器術」と、
対ナイフも主眼とした「徒手術」を互いに駆使し、
あらゆる状況設定の中で組手練習を積み重ねる事により、
実践的な術の体得と自らの恐怖心に負けない意識が、
養えると確信しているからです。
ナイフ攻撃を素手で捌き、徒手攻撃する術を体得し、
ナイフ攻撃に対する「不必要な恐怖心」を払拭するには、
次の条件が必要であると、私は考えました。
(1)ナイフ側は、正確に致命傷部位を狙い攻撃する。
(2)ナイフの特性を最大限に生かした動きである事。
(3)ナイフに依存せず、徒手攻撃も繰り出せる事。
(1)については、致命傷部位を狙ったナイフ攻撃を、
正確に徒手で捌く術を体得する為です。
(2)は、ナイフ使いの攻撃動作・スピード・間合い・気配等を、
体感する事でそれらに対応した動き・意識を養う為です。
(3)の理由は、ナイフ・徒手攻撃の両方に対応出来る
「意識・技・身体」を形成する為です。
素手で襲ってきた暴漢が、一瞬の内にナイフを抜くケースや、
ナイフ・徒手同時攻撃をする場合が、増加している事も
大きな理由です。
主な講義の一例
ナイフに関する講義 | ナイフの種類と個々の特徴。 形状・材質・刃渡り・携帯性等について説明。 |
武器としての特性講義 | ナイフの様々な性質による、武器としての有効性。 ナイフ武器術と徒手術の複合時に置ける有効性。 逆にナイフ故の弱点または限界。 |
ナイフ犯罪に関する講義 | ナイフを使用した犯罪者の、心理状態・攻撃動作等。 主に刺突・斬撃される部位。 様々な衣料品の材質に置ける、防刃能力。 死に至る主な原因と対応策。 |
ナイフと人体との関連 | ナイフによる5つの攻撃特性 (血管・内臓・神経・筋肉・関節部の切断、損壊) ナイフ攻撃により、致命傷・神経麻痺部位となる部分。 皮膚・骨・筋肉の性質・強度、人体構造の説明。 致命傷受傷と時間の関係。 受傷程度を自己診断し行動する思考について。 斬撃・刺突された時の、応急処置と行動。 |
上記の内容は一例であり、多角的な面から検証したナイフ専門の
講義を受講し、武器としての本質を理解して頂きます。
恐怖の本質を知り、理解する事が重要であると考えた上で、
ナイフに関する実践的かつ現実的な講義を行なっております。
主な武器術の練習内容
ナイフ武器術・基本編 | 基本握り。 呼吸法。 基本構え。 間合い取りの基本。 基本歩法。 視線と意識の基本的な定め方。 基本斬撃技・刺突技の型説明。 視聴覚器官に頼らず、気配を感じ取る事の講義。 |
基本斬撃・刺突技 | 技の起源である「理」を交えて説明。 当ナイフ武器術に置ける、ナイフで物を斬る法則論の講義。 致命傷部位の説明と、基本技との関連性を説明。 執着心を消し、全身に意識を行き渡らせて 自在になる事の講義。 |
武器術応用編 | 応用握り・構え・歩法。
応用連続斬撃・刺突攻撃技。 柄によるツボ・関節等への打突技。 徒手により捌かれた場合の対処方法。 攻撃軌道を惑わす術。 斬撃・刺突技の複合動作。 特殊斬撃術。(二竜円空斬り)等。 ナイフ投てき術。 |
状況に応じた戦法 | 障害物が多い生活空間・視覚喪失時・歩行困難時 複数戦など、様々な状況下に置ける戦法。 |
武器徒手複合術 | 武器術に、捌き・掌拳打・蹴り・足払い・体当たり などの徒手術を複合させた「武器徒手複合術」。 武器徒手複合攻撃が行なえる相手に対する対処方法・戦法等の講義。 |
主に上記内容を、講義・型・組手練習を織り交ぜ、様々な危機的状況を
想定した中で、素手側と武器側に分かれて組手をし、
互いの技と意識を磨いて居ります。
特にナイフと相対する場合は、技や身体よりも「心理面」が
かなり重要になるので、心に関する修練も多く取り入れてます。